家の解体費用の相場は?安く抑えるポイントを解説!
2024/03/132024/06/28
土地を売却する際、更地にしてから売却しようとお考えの方は多いでしょう。
家の解体工事には、数百万円かかってしまう場合もあります。解体費用は住宅の構造や、廃材処理など、さまざまな要因が絡まって金額が決まります。そのため、工夫次第で解体費用を抑えることも可能です。
本記事では、具体的な解体費用の相場や、費用をなるべく安く抑えるポイントをご紹介します。また、解体工事を行う際の注意点についても解説しているため、ぜひご参考ください。
一軒家の解体費用の相場は?
一軒家の解体費用の相場は、100〜300万円です。
この金額には、構造や広さなどさまざまな要因が関係しています。
一軒家は、一般的に以下の建築構造で作られており、それぞれの坪単価は以下の通りです。
- 木造…4~5万円
- 鉄骨造…6~7万円
- RC(鉄筋コンクリート造)…6~8万円
具体的な坪ごとの解体相場は、以下の通りです。
建築構造 | 30坪 | 50坪 | 80坪 |
木造 | 100~150万円 | 180~250万円 | 200~300万円 |
鉄骨造 | 150~250万円 | 200~300万円 | 300~350万円 |
RC(鉄筋コンクリート造) | 180~300万円 | 250~400万円 | 500~800万円 |
このように、坪数と建築構造によって解体費用が異なります。
家の解体費用が決まる要素
家の解体費用は坪数と構造以外にも、以下の要素で決まります。
- 構造や広さ
- 立地条件
- 廃材処理
- 付随工事費用
それぞれ詳しく見ていきましょう。
構造や広さ
解体費用は建築構造や家の広さによって異なります。
建築構造は「木造」「鉄骨造」「RC」の3種類が一般的で、それぞれの特徴は以下の通りです。
建築構造 | 強度 | 重量 | 解体費用 |
木造 | 低 | 軽 | 低 |
鉄骨造 | 中 | 軽 | 中 |
RC(鉄筋コンクリート造) | 高 | 重 | 高 |
強固で頑丈なほど解体しにくく、解体費用には廃棄処理も含まれるため、解体費用は強度や重量と比例します。
木造は、柱や梁に木材を利用した建築法です。耐震性といった安全に住むための強度は十分ですが、ほかの建築法より解体しやすく、解体費用は安くなる傾向があります。
鉄骨造は、木造より強度が高くRCより重量が軽いです。強度が強い分、解体費用は高くなりますが、重量や廃棄の手間があまりかかりません。 RCは、鉄骨で作った枠組みにコンクリートを流しいれて頑丈にしているため、3つの建築法のなかで最も強度が高く、解体しにくい構造です。また、RCは廃棄物の種類が多いうえに重量も重く、廃棄に手間がかかります。そのため、RCの解体費用は高額になります。
また、坪数が大きくなるほど解体費用は高額になります。 解体作業は、地盤の解体に最も費用がかかります。そのため、二階建てよりも平屋の方が高額になりがちです。
立地条件
立地条件によって解体費用は異なります。
以下の場合は、解体費用が嵩む可能性が高くなります。
- 隣の家との距離が近い
- 入り口が狭い
- 道路が狭い
解体工事中は、解体時に出た破片で隣の家を傷つけてしまう恐れがあります。隣の家との距離が遠ければ簡単な足場だけで防げますが、近いと傷つけてしまう危険性が高まるため、配慮する必要が出てくるでしょう。
また、足場が組めないほどに隣の家と距離が近い場合は、手作業で解体工事を行う必要があります。さらに、住宅への入り口や道路の道幅が狭い場合もあるでしょう。
このように、敷地内に重機が入れない場合も、手作業で解体工事を行います。 解体工事を手作業で行うことによって、人件費がかさみ、解体費用が高額になりやすいのです。
廃材処理
廃材処理の費用によっても解体費用が変わります。
廃材とは、解体時に出た木材や鉄、コンクリートのことです。これらは手作業で分別されるため、人件費がかかります。廃材の運搬費や、処理費によっても費用が変わります。
たとえば、木造の家の場合、主な廃材は木材です。木材は重量が軽いため運搬費が安く、処理費もそこまでかかりません。
しかし、RCは鉄とコンクリートを分別するところから始まるため、重機でコンクリートを砕き、鉄を抜き取る作業の後、別々に運搬し処分します。
このように、廃材の種類によって処理方法が異なるため、解体費用も異なるのです。 解体費用はリサイクル関連法により、以前より上昇しています。そのため、廃材の処理費用も解体費用に大きく影響しているのです。
付帯 工事費用
家の解体だけでなく、敷地内にある塀や植木の工事費用によって解体費用が異なります。
付帯工事にかかる主な費用は、以下の通りです。
庭木(抜根込み)1本 | 50,000円 |
庭石 1t | 10,000円 |
ブロック塀1㎡ | 3,000円 |
門扉・フェンス一式 | 20,000円 |
倉庫や物置1つ | 30,000円 |
残留物1㎥ | 10,000円 |
庭木は、高さ3〜4m以下で直径20cm以内であれば上記の値段で対応してもらえるでしょう。しかし、これ以上大きい木の場合、更に費用がかかってしまう可能性があります。
さらに、抜根といって根を取り除く作業を行わない場合は1万円程度で処理が可能です。
庭石は、1tにつき1万円程度で、ブロック塀は1㎡につき約3,000円で処理できます。
古い家の場合、庭石やブロック塀が多く残っている可能性が高いため、費用に換算しておくといいでしょう。
また、門扉やフェンスの撤去には、大きさによって異なりますが一式2万円程度で撤去可能です。
倉庫や物置も、一般家庭にあるような2つ扉の普遍的なサイズであれば約3万円で撤去してもらえます。残留物の処理費用は、1㎥あたり約1万円です。
それぞれの金額は大きくなくても、最終的に大きな出費となる可能性があります。あらかじめ確認しておきましょう。
また、解体工事に入る前に撤去物をある程度整理したり、自分で対処できる範囲のものは撤去することで、少しでも費用が抑えられる可能性があります。
家を解体して更地にする流れ
ここからは、家を解体して更地にするときの流れについてご紹介します。
- 業者を選定し見積もりを依頼する
- 解体の準備
- 解体工事
- 廃材の処理
- 整地
だいたいの流れを把握しておくことで、余裕をもって準備ができるでしょう。
業者を選定し見積もりを依頼する
はじめに、業者を選定して見積を依頼しましょう。
家を解体するには、解体業者へ依頼する必要があります。
家の解体費用は高額になりがちなため、信頼できる解体業者を選びましょう。
すぐに契約するのではなく、一度複数社で見積を取り、比較してから契約することをおすすめします。
見積を取るときは、図面上の情報だけでなく、実際に土地を見てもらい見積を取得しましょう。
このとき、追加になりそうな費用があればそれも含めて教えてもらうと後から費用が跳ね上がる心配はありません。
見積を取って納得できれば契約し、工事日を決めます。
解体の準備
つぎに、解体の準備を行います。
準備の項目は以下の通りです。
- 近隣住民への挨拶
- ライフラインの停止
- 不用品の撤去
工事を始める10日前には、近隣住民へ挨拶を行いましょう。
解体工事は大きな音が出るだけでなく、ホコリが舞ったり振動が伝わる可能性があります。小さいお子さんがいるご家庭や、夜勤などの変則的なお仕事をされている方がいらっしゃる場合、トラブルに発展してしまうおそれがあります。そのため、解体工事前は解体業者の工事担当者とともに挨拶回りを行いましょう。
また、水道や電気、ガスといったライフラインの停止も行う必要があります。
しかし、解体業者のなかには粉塵の飛散防止のために水道利用の要望がある可能性もあるため、事前に解体業者の確認を取っておきましょう。
また、自身で撤去できる不用品がある場合はこの段階で行うことをおすすめします。
解体工事
ついに解体工事がはじまります。
実際に工事を行うのは解体業者ですが、近隣の迷惑にならないように何度か視察に行くといいでしょう。
そのためには、工事の順番を把握しておく必要があります。
大まかな、解体工事の手順は以下の通りです。
- 足場の設営
- 養生の設置
- 残留物や内装の撤去
- 家の解体
はじめに、周りの家に傷や粉塵がつかないように足場を設営し養生を設置します。
この養生が低すぎないか穴が開いていないか確認しましょう。
このように、第三者目線で確認することで近隣に迷惑をかけなくてすみます。
解体中は危険なため視察は最小限に抑えましょう。
廃材の処理
つぎに、解体で出た廃材の処理を解体業者が行います。
廃材は産業廃棄物として処理する必要があるため、木材処理のために焚き火や野焼きを行ってはいけません。
産業廃棄物の運搬には専用のトラックでの運搬が義務づけられており、専用のトラックには「産業廃棄物収集運搬車」と記載されています。
この記載がないトラックが廃棄物を運搬している場合は注意が必要です。
信頼できる解体業者を選んでいれば問題ありませんが、不安な場合や廃材が適正に処理されているか確認したい場合はマニフェストを見せてもらうといいでしょう。
マニフェストとは廃棄物の処理方法を記載した書類で、解体現場では必ず作成されています。
そのため、マニフェストを見るだけで廃棄物の不正処理を行っているかがわかるでしょう。
整地
最後に、土地を整えて完了です。
このとき、地中になにか埋まっていると持ち主の責任になる可能性があります。
そのため、しっかり掘り起こして廃棄物が無い状態にしてもらうようにしましょう。
そして、土地を平らにし、整地します。 整地して見た目が良くなると売却しやすくなったり売却金額が高くなったりメリットが多いです。
そのため、整地までしっかりおこなってもらうようにしましょう。
解体費用を安く抑える方法
ここからは、解体費用を安く抑える方法についてご紹介します。
- 複数の業者を比較する
- 残置物を処理しておく
- 補助金制度を活用する
- ローンを利用する
できるものから実践してみてください。
複数の業者を比較する
解体費用を抑えるためには、複数の業者に相見積をとりましょう。
解体費用は、業者によって大きく異なるため、最低でも3社に相見積もりを取ることをおすすめします。 相見積もりを取るときは以下の点に注意しましょう。
- 全く同じ条件を伝える
- 内訳を見せてもらう
- 追加になりそうな料金を聞いておく
- 減額方法を聞いておく
相見積もりを取るときは、全く同じ条件を提示しましょう。
そうしないと適正に判断できません。
また、内訳も提示してもらうようにしましょう。
内訳を確認することで、他社で対応してもらえるサービスが受けられるかの確認ができます。
さらに、追加料金や減税方法も聞いておくといいでしょう。
これらの内容を快く教えてくれる業者は信頼できるところが多いです。
解体費用は安く抑えるに超したことはありませんが、安さだけで選んでしまうと悪徳業者に捕まってしまう可能性もあります。
悪徳業者に捕まってしまうと後々トラブルが発生したり追加で多額の費用を請求されたりするため、注意が必要です。
複数の業者を比較することで、悪徳業者の餌食になることはなくなるでしょう。
このようにポイントを押さえて相見積もりを取ることで、安くて信頼できる業者に出会えます。
残置物を処理しておく
不用品や残置物は、できるだけ処理しておきましょう。不用品の廃棄を対応してもらっただけで100万円近くかかった、というケースもあります。残置物を自分で整理・処理しておくことで、解体費用を安く抑えられる可能性があります。
家のなかの不用品や庭に放置してあるゴミは、家を解体すると決まったときから少しずつ処分しておきましょう。大きな家具や家電は処分が大変ですが、頑張って自分で処分することによって処分にかかる費用を抑えることができます。
ほかにも、庭木の処理は1本につき5万円ほどかかってしまうため、自分で処理しておくと大きな減額につながるでしょう。
しかし、業者のなかには追加料金が発生しない場合もあるため、あらかじめ確認しておくと効率よく作業ができます。
補助金制度を活用する
家の解体には補助金が出る場合があるため、これを活用することで解体費用を数十万円安くできます。
補助金は、国ではなく地方の自治体から出ているケースがほとんどです。
全国統一の補助金ではないため、補助金名は統一されていません。
しかし、以下のような名前が多いようです。
- 老朽家屋解体工事補助金
- 危険廃屋解体撤去所補助金
- 空き家解体補助金
- 解体撤去費助成
これらの補助金は申請しないともらえません。
さらに、申請するために条件があるため、それに当てはなっていないと申請すら不可能です。
そのため、解体業者を探すと同時に助成金の有無も確認するといいでしょう。
地元密着型の解体業者はこのような補助金制度に詳しいです。
そのため、使える補助金がないか聞いておくといいでしょう。
ローンを利用する
ローンを利用することで一度に払う費用を抑えることができます。
ローンには3種類あり、それぞれ以下の通りです。
ローン名 | 説明 |
住宅ローン | 解体後に新居を建てる場合、新居の住宅ローンに解体費用を組み込む |
空き家解体ローン |
空き家対策として政府から提供されているローン |
フリーローン | 利用目的が定められていないローン |
家を解体して新居を建てる場合、住宅ローンに解体費用を組み込むことができます。
空き地にして土地を売る場合は、空き家解体ローンかフリーローンの利用になるでしょう。
空き家解体ローンは、増え続けている空き家対策として政府が行っている制度です。
金融機関によって空き家の定義が異なり、ローンが組めない可能性があるためこのローンをあてにするのはおすすめしません。
フリーローンは、解体費用だけでなくさまざまな目的で利用できます。
審査は厳しいですが、金利が低いためおすすめのローンです。
すぐに解体費用を全額払えない人は、ローンの利用も検討しましょう。
家を解体して売却するメリット
家を解体しなくても土地は売れますが、解体して売却することで以下のようなメリットがあります。
- 土地の状態をイメージしやすい
- トラブルを回避できる
それぞれのメリットを紹介しましょう。
土地の状態をイメージしやすい
家を解体して更地にすることで、土地の状態をイメージしやすくなります。
土地の購入を考えている人は、これから家を建てようとしている人が多いため、土地の選定には慎重です。
家が残っていると、自分たちが住みたい家を建てることができるのか住みやすいのかなど、イメージが付きにくいでしょう。
さらに、老朽化が進んでいる家が残っており、草も生え放題だと見た目が悪いため選ばれにくい傾向があります。
家を解体して土地を整地することで、全体を見渡しやすくすっきりした見た目になるでしょう。
そのため、早く売れる可能性があがり、土地の値段が上がる可能性も高くなります。
トラブルを回避できる
家を解体することで、次に土地を購入する人とのトラブルを防げるでしょう。
土地に残っている廃棄物は、土地の持ち主の持ち物と判断されます。
そのため、家が残っている状態で買い取り、新築を建てるときに地中埋設物や危険物が見つかってしまうと、今の持ち主がお金を払って処理しなくてはなりません。
地中埋設物の処理は高額になる可能性が高く、処理費用が高額になるなら購入したくなかったと思う人もいるでしょう。
さらに、地中埋設物の処理費用が高額になった場合、今の持ち主に契約不適合責任を追及されてしまうケースがあります。
売却後、このようなトラブルが起こらないように、先に家を解体しておくことがおすすめです。
家を解体する際の注意点
最後に、家を解体する際の注意点を3つ紹介します。
- 税金が高くなる
- 建物滅失登記を行う
- 更地にしたあと再建築できない場合がある
それぞれ見ていきましょう。
税金が高くなる
土地や家には、固定資産税が加算されます。
固定資産税は、土地と家両方に加算される税金です。
家が建っていると土地の固定資産税は軽減措置を受けられますが、家を解体してしまうと軽減措置が無くなってしまい、土地の固定資産税は6倍ほどまで跳ね上がります。
土地の売却がすぐ済めば、固定資産税の支払いは最小限で済みますが、なかなか売却できない場合は負担額が大きくなってしまうでしょう。
建物滅失登記を行う
建物滅失登記とは、建物が無くなったときに申請する登記です。
建物は、建築したときに建物表題登記を申請して登録するため、建物が無くなったときは建物滅失登記を行う必要があります。
これを怠ると、次に建物を建てられなかったり建物分の固定資産税を支払ったりトラブルの元です。
さらに、これらの申請は義務化されているため、10万円以下の過料が科せられます。
申請は、土地家屋調査士に依頼することも可能です。
しかし、法務局で比較的簡単に申請できるため、自身で行うことをおすすめします。
更地にしたあと再建築できない場合がある
土地に家を建てるとき、建築許可が下りないと家を建てられません。
建築許可は年々厳しくなっているため、昔は家を建てられたところでも今の建築ルールでは許可が下りないところもあります。
自分が所有している土地だとしても、家を建てるには建築許可が必要です。
もちろん、この建築許可が下りないと住宅用の土地として販売できないため、家を解体する前に建築許可が下りるかどうか確認してから解体するようにしましょう。
家の解体費用は工夫次第で相場より安くできる
家の解体費用の相場や、安く抑えるポイントを紹介しました。
解体費用は100〜300万円と幅が広く高額です。
しかし、複数の業者から相見積もりを出して比較したり残置物を自分で処理したりすることで解体費用を最小限に抑えることができます。
とくに、家具や家電、庭の植木の処分を行うだけで数十万円の減額が可能です。
さらに、自治体から出ている補助金やローンを利用すれば更なる減額が期待できるでしょう。
このように、解体費用は工夫次第で相場より安く済ませられる可能性があります。
まずは、相見積もりを取って信頼できる解体業者を選定しましょう。
株式会社永雅では、迅速・丁寧・低価格をモットーに、環境にやさしい解体工事を目指しております。お気軽にご相談ください。
監修者
永田 雅昌
代表取締役社長
<資格>
・足場組立作業主任者 ・車両系建設機械作業主任者 ・アークガス作業主任者 ・移動式クレーン作業主任者 ・職長安全衛生責任者 ・フォークリフト作業主任者 ・石綿作業主任者 ・アスベスト調査者 ・建設業許可(解体・建築・とび土工)
近隣からのクレームがない施工作業を長年行っております。お施主様の満足度は常に高く、今後も綺麗な仕上がりをして参ります。
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