家の解体工事の流れを段階に分けて徹底解説
2024/04/192024/06/28
建物の解体工事は、依頼したらすぐに作業に取りかかってくれるわけではありません。 解体工事を契約する前にやるべきこと、解体工事業者が決まったら工事着工前にやるべきこと、その後、実際の解体工事に進みます。最終的に工事が完了した後に、ご近所への作業終了のご挨拶などをおこない一連の解体工事が完了します。
本記事では、家の解体工事の流れを段階に分けて解説します。
家の解体工事の流れ【契約前】
家の解体工事の流れとしては、最初に解体工事業者を選ぶことから始めます。どのような工事でも業者次第で工事結果の良し悪しが変わってきます。解体工事業者選定が一番重要な作業といえるでしょう。
以下に、解体工事業者の選定から契約締結までの流れを詳しく紹介していきます。
業者の選定
家の解体を行う際には、建物の解体工事専門業者を選びましょう。
一般の建築会社などへ解体を依頼すると、実際の取り壊しは下請けの業者となりコスト的に高くなります。また、下請け会社に解体のノウハウがあるかどうか事前にわからないこともリスクです。
一方、解体工事専門業者であれば本来かからない中間マージンがカットできるので、建築会社に比べて費用を抑えられる傾向にあります。
また、実績が豊富な業者であれば、これまでの経験をもとに難しい状況の工事にも対応してもらえる可能性が高いです。
まず、解体工事専門業者のサイトから「問い合わせ」をしましょう。業者は1社に絞るのではなく複数の業者へ問い合わせを行ってください。
問い合わせ方法には、興味があって問い合わせている場合は、「LINE」や「メール」を利用する、緊急に解体工事を行いたいために問い合わせている場合は、「電話」で問い合わせるなど、さまざまな方法があります。また、その際に口コミや施工事例などをサイトから確認しておくと良いでしょう。
いずれの方法にしても、問い合わせに対して迅速で丁寧に答えてくれる解体工事専門業者を選定しましょう。
現場調査の立ち合い
詳細な見積もりをだすために解体工事業者による現地調査が実施されるため、調査日程を相談のうえ極力立ち会いましょう。
立ち合いを求められないケースもありますが、時間がある場合には積極的に参加するようにしましょう。
立ち会うことで、残してもらいたい柱や木、廃棄してほしい設備などの相談もできます。疑問点などが有ればその場で直接質問することで、業者の雰囲気を知ることができるメリットもあります。
見積もりの比較
現地調査した結果の見積もりが、各業者から提示されるので項目ごとに比較してください。見積もり内容も重要ですが、比較する際には分かりやすく細かな見積書を提出してくれているか、単に合計金額を比較するのではなく、その地域の坪単価の相場を考慮にいれながら内訳項目や施工範囲ごとに細かく比較することが大切です。
そのため、見積りの内訳が「一式 ○○円」といった書き方をしていたり、あえてわかりにくい複雑な書き方をしている場合、極端に他の業者の見積もりより低い場合は要注意です。
また現場を見ないで口頭で見積もり金額を提示する業者もいますが、工事後に高額な追加費用が上乗せされる可能性もあるため、必ず現地を見たうえでの見積もりを書面で出してくれる業者に依頼しましょう。
解体工事業者と契約締結
複数の見積もり内容を比較し、費用面や施工内容に問題がなく、自分が納得した業者と契約を結びましょう。そして契約の連絡後には本契約の案内があるので、指示に従ってください。
なお契約を結ばない業者には、一言断りの連絡を入れるのも忘れないようにしてください。
家の解体工事の流れ【着工前まで】
解体工事業者と契約締結が完了したら、施主が実際の解体工事が始まる前に行うべきことがたくさんあります。解体工事業者に依頼できることもありますが、基本は施主が行います。
着工前までの家の解体工事の流れは、必要な書類の届出、近隣住人へのご挨拶、解体作業を進めやすくするための片付け、ローンや補助金の申請、ライフラインの停止の手続きです。詳細は、以下に説明します。
解体工事に必要な書類提出
家を解体する前には、いくつかの書類を適切な場所へ提出する必要があります。
具体的には、80㎡以上の建物を解体する場合に建設リサイクル法により解体工事届出を、解体工事を行う7日前までに都道府県知事へ提出しなければなりません。敷地内が狭く道路上で作業を行う場合には、道路使用許可を道路を管轄する警察署に申請してください。また2022年4月からアスベスト調査結果の報告が義務化されていますので、注意してください。 道路使用許可とアスベストの報告は、業者に義務付けられています。しかし施主が届け出る義務があるのが解体工事届出です。業者に代行をお願いすることもできます。時間がない方や初めての方は、業者に代行をお願いしてください。
近隣住民への挨拶回り
解体工事を始める前に近隣住民への挨拶回りをしましょう。
一般的には解体工事業者が近隣へ挨拶をしてくれますが、業者に任せるだけでなく施主と業者が一緒に工事前に期間や規模、考えられる影響などを説明し、迷惑をかけてしまうことを挨拶で伝えておけば、トラブルの原因を減らすことができるでしょう。
特に近隣住民には解体工事での騒音や振動、粉じんなどで迷惑をかけ、苦情やトラブルが発生するケースも多くあります。そのため近所トラブルを避けるためにも、事前に挨拶回りを行うと良いでしょう。
できれば、近隣挨拶の際に持っていきたいのが手土産です。手土産のアイテムはタオル・洗剤・ラップなどが良いでしょう。日常的に使用でき、高額でないため精神的な負担にならない程度の粗品が望ましいです。
家の片付け
解体日が決まれば、解体工事に入る前に家屋内の所有物を撤去しましょう。
自分で撤去できるものは、地域のごみの収集ルールに従って捨てたり、リサイクルショップやトランクルームなどを利用して片づけていきましょう。粗大ごみや大型家電は処分の依頼が必要な場合があります。
家の中のものが残っている場合には解体工事業者の方で片付けてもらえますが、その分の費用が発生します。最悪、工期が伸びてしまう場合もあります。そのため解体費用を少しでも抑えるためにも、自分できれいに片付けることをおすすめします。
また家財の片づけに関しては、木製家具であれば木材と一緒に解体業者が無料で処分してくれる場合や、廃棄業者を紹介してもらえる場合があるため、前もってわかっている場合は、契約の段階で相談しておくと良いでしょう。
ローンや補助金の申請
空き家や実家の解体などを考えている方の中には、家屋解体向けのローンや補助金の利用をお考えの方もいらっしゃると思います。
銀行のローンは銀行ごとに利用の可否や金利等が異なるので直接銀行にお問い合わせください。補助金については、地方自治体で補助金がある地域があります。こちらは、自治体に直接確認してください。補助金は予算がなくなれば終了します。また、年度内に完了することが前提で補助金を交付しています。
利用する場合には、着工前に申請を行い認められて初めて解体工事を始められます。
銀行のローンや、自治体独自の補助金・助成金に詳しい業者も多いため、一度相談してみると良いでしょう。
ライフラインの停止手続き
施主は解体工事開始前に、ライフラインの停止および撤去を完了しておいてください。
解体前に手続きをしなければならないライフラインは、ガス、電気、電話線、インターネット回線です。 水道は解体工事で水を撒くなどのために利用するため停止手続きは不要です。間違って手続きをしないように注意が必要です。
ライフラインの撤去工事は時間がかかるため、早めに進めると良いでしょう。
家の解体工事の流れ【解体工事中】
家の解体工事は、解体業者のみで作業を行います。施主が関わることはほとんどありません。
ただし施主が工事の流れを把握しておくことで、業者がトラブルを引き起こした際に、連携した対応が可能となるでしょう。
解体工事内容を見れば、ある程度の解体作業の進捗状況がわかるようになります。以下が、解体工事手順です。
- 足場設置と養生組み立て作業
- アスベストの除去作業(アスベストがある場合)
- 瓦や屋根の撤去作業
- 石膏ボード・窓ガラス・畳などの建物内部を撤去
- 重機の搬入
- 重機を利用した解体
- 基礎部分の撤去
- 廃棄物の運搬・処分
- 足場や養生の撤去
- 地中障害物が有れば撤去
- 重機の搬出
- コンクリート片・木片の分別撤去
- 整地と清掃
解体する家によって多少違いがありますが、基本的にはこれらの手順で進められます。
家の解体工事の流れ【解体工事後】
解体業者による解体工事が完了してから、施主が行う作業について以下の表にまとめました。
施主が行う項目 | 施主が行う内容 |
工事完了現場の確認 |
更地の状態や、周辺の清掃が行われているかを確認します。 廃材が撤去されているか、残されたものがないか、周辺道路が汚れていないか、ゴミやチリが落ちていないかなどをチェックします。 |
近隣挨拶 |
解体工事が終了したら、なるべく早く近隣住民の方々に挨拶しに行き、工事でのトラブルが発生していないかを確認しましょう。何かトラブルが発生していた場合はすぐに解体業者に対応してもらいます。 工事終了後、時間がたってしまうと解体業者に対応してもらえなくなる可能性もあるため、早いうちに確認し対応してもらいましょう。 工事完了後の挨拶には手土産等は不要です。解体工事によってご迷惑をおかけしたことと、ご協力いただいた感謝の気持ちを伝えましょう。 |
最終費用の確認 | 解体工事業者と費用確認を行います。事前にチェックした内容とずれがないか、追加工事が発生していないかなど明細を細かく確認します。見積もり金額とズレがあった場合は、必ず解体業者に質問し内容を確認してください。 |
建物滅失登記の手続き |
建物滅失登記は、建物の所有者が行う登記手続きです。建物が取り壊されてから1カ月以内に手続きを行います。手続きには解体工事業者が発行する証明書類が必要になるので、あらかじめ業者に依頼しておきましょう。 建物滅失登記に必要な書類は以下の通りです。 ①建物滅失登記申請書(書式のダウンロードは、法務局のホームページから行えます。) ②建物を取り壊した工事請負人(解体工事業者)の証明書 ③工事請負人(解体工事業者)の印鑑証明書 ④解体現場が分かる地図 提出先は所在地を管轄する法務局です。提出を怠ると10万円以下の過料が科せられることもあるため、なるべく早い手続きが必要です。 この申請をしていないと、固定資産税がかかる、土地の売却ができない、建築許可が降りないため建て替えができないといったトラブルが発生します。 |
家の解体工事をスムーズに進めるためのポイント
家の解体工事をスムーズに進めるためには、解体工事が多くなる繁忙期を避ける、近所住民と業者がコミュニケーションを取る、余裕のあるスケジュールで解体工事を行う必要があります。以下に詳しく、解説していきます。
ポイント①解体工事業者の繁忙期を避ける
解体工事が多くなる繁忙期は、解体作業員を集めることが難しく、人手が足らない結果、近隣住民への挨拶が疎かになってしまう場合があります。
また、人手が足らないため、予定していた作業が完了しなくなり、工期が伸びてしまうことが発生します。
そのため、すぐに家を取り壊さなくても良い場合には、12〜3月の繁忙期を避けて、解体工事を依頼することをおすすめします。
ポイント②近隣住民と業者とコミュニケーションを積極的にとる
近隣住民からの苦情や業者とのトラブルが発生すると、工期に間に合わすために手順の変更や短縮が発生する場合があります。手順変更に影響するようなトラブルを防ぐためには、近所の人や業者とのコミュニケーションが重要となります。
問題が起こったら業者とすぐに相談できるような関係を築いておきましょう。
例えば、解体工事前と後には、近所への挨拶回りを忘れないで行うことや、業者とは頻繁に連絡を取り、最初に決めたスケジュールから遅れ等が発生していないか、スケジュール確認をすると良いでしょう。また解体に関して不安なことや疑問があれば、すぐに業者に相談することも大切です。
ポイント③余裕のあるスケジュールを組む
解体作業を中止しなくてはいけないような天気になり、解体スケジュールで延期や変更が発生することも少なくありません。そのため予定が変更され慌てないためにも、全体のスケジュールには「1週間以上」余裕を持たせることが大事です。
また事前に済ませる必要がある手続きは、早めに手続きを行い期限や解体日に遅れないようにしましょう。
工事の流れを理解し解体する
解体工事で大切なことは、どのような流れで進んでいくのかを知ることが大切です。詳しい内容はわからないとしても、施主として解体工事に関わっていくには、解体の流れを理解しているかどうかで、全体の理解は大きく違ってきます。
株式会社永雅では、迅速・丁寧・低価格をモットーに、環境にやさしい解体工事を目指しております。お気軽にご相談ください。
監修者
永田 雅昌
代表取締役社長
<資格>
・足場組立作業主任者 ・車両系建設機械作業主任者 ・アークガス作業主任者 ・移動式クレーン作業主任者 ・職長安全衛生責任者 ・フォークリフト作業主任者 ・石綿作業主任者 ・アスベスト調査者 ・建設業許可(解体・建築・とび土工)
近隣からのクレームがない施工作業を長年行っております。お施主様の満足度は常に高く、今後も綺麗な仕上がりをして参ります。
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